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「遺言書を書いてよかった!」と思うこととは?

死後の不安が減り、安心して過ごせるようになった

遺言書を書くという行為は、自分の財産を洗い出し、亡くなった後、誰にどのように引き継ぐかを考え、それを文字にするものといえます。遺言書があれば、相続人は面倒な財産調査や遺産分割協議の手間を省くことができます。これは大きなメリットです。

しかし、遺言書にはもう一つ、書いた本人の心境や生き方に良い影響を及ぼすというメリットもあるようです。

日本財団が遺言書を作成した60歳~79歳の男女69名に「遺言書を書いてよかったと思うこと」を聞いたところ、次のような回答がありました。

  • 気持ちの整理になった(44.9%)
  • 相続トラブルの心配が減った(40.6%)
  • 自分の財産の使い道を自分の意思で決められた(39.1%)
  • 死後の不安が減った(30.4%)
  • 安心して老後を過ごせるようになった(26.1%)
  • 土地など分割が難しい財産の扱いが決まった(17.4%)
  • いろいろなことにチャレンジできるようになった(1.4%)

これらの回答に共通するキーワードとして、「安心感」があるように思います。

私たちは不安を抱えていると体力や気力を消耗してしまい、全力を出すことができません。遺言書を書くことによって「後顧の憂い」が解消され、今を生きることに集中しやすくなったと言えるのではないでしょうか。

 

出典:遺言・遺贈に関する意識・実態把握調査(日本財団 2023)

https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2022/12/new_pr_20230105_01.pdf

 

遺言書は15歳から書ける

私も遺言書を作成しましたが、まさにこの調査結果のように死後の不安が減り、いろいろなことにチャレンジできるようになりました。その一番の理由は、遺言書を書く中で、「どんな心境、どんな表情で最後を迎えたいか」について考えたことだと思います。

私の理想は、2016年放送のNHK朝ドラ『あさが来た』で描かれた、みかん農家の惣兵衛さんの臨終です。家族に見守られる中、「ええ、人生やった~」としみじみ言い、穏やかに微笑んで息を引き取るのです。その人生は逆境続きでしたが、柄本佑さんの名演技もあって、誠実に生き抜いた末に一点の悔いもなく感謝の気持ちで旅立ったことが伝わってきました。長いマラソンを完走した時のような清々しさが感じられ、「私もこんな最後がいい!」と思いました。ちなみにその週のテーマタイトルは「誇り高き人生」というものでした。

不思議なもので、どんなふうに死にたいかが明確になったら、がぜん生きる意欲がわいてきました。あの結末にたどり着けるよう、一瞬一瞬を大切にしようと思えるようになりました。

一般に、遺言書は高齢者が書くものというイメージがあります。しかし、書いた後の人生がより充実したものになるのだとすれば、年齢は関係ないのかもしれません。民法でも、「15歳に達した者は遺言をすることができる」と定められています(民法961条)。

遺言書を「より良い人生にするためのツール」として活用してみませんか?

 

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